経営者が考えるべき残業削減に向けての対策

残業削減は、官民を挙げての喫緊の課題になっていますが、中小企業の経営者の多くは「働き方改革関連法」の内容をよく理解していない方も多い様です。例えば「年次有給休暇の取得義務化」に違反した場合などは、罰金が課されます。経営者は早急に残業削減に向けての対策を取らなければならないのですがそれが認識されていないケースがあるのです。

改革を知らないと答える経営者の真意

全ての企業が、「働き方改革」に賛成しているわけではないと言う事かも知れません。大企業の場合は、9割が法案の実施に向けて行動しているのに対して、中小企業では、6~7割にとどまっているようです。中小企業の経営者は、いわゆるサービス残業をしなければ経営が成り立たない苦しい状況に置かれている現状が推察できます。

”ブラック企業”や”過労死”と言う言葉は、度々耳にする痛ましいニュースの度に広く浸透しています。多くの中小企業のように経営存続の危機的な状況にある場合には「働き方改革」を実施したくともできない現状もあり、とても従業員に対する働き方改革について考える余裕がないという事なのかも知れません。

残業削減の必要性と現状

残業削減は人件費削減の有効な手段なのですが、経営者の立場や従業員の生活にも関係する問題なので、慎重に検討する必要があります。劣悪な労働環境や根強いパワハラも未だに一部の企業からは無くなっていない様です。

〇働き方改革法の経過
働き方改革法は、従業員の働き過ぎを防止する為の法律として2019年4月1日に施行されています。時間外労働に上限規制を設けて過労の対策に乗り出したわけです。柔軟な働き方を志す多くの企業の賛同を得ているのですが、大企業の下請けや孫請けと呼ばれる会社の現状が改善されたわけではありません。下請けや孫請けの企業にとっては、労働時間を減らせば、実績と成果に影響が出る為に困難な課題となっています。

〇業種によって適用が猶予される
医師や建設事業、自動車の運転業務や砂糖の製造業、他にも新技術や新商品の開発にあたる業務などでは適用が猶予されます。また、教職員やIT産業と外食産業なども含めて「重点業種」として是正がすぐにできない為に適用が猶予されています。しかし、2024年度を目途に適用の如何が再度検討される事になっています。

残業削減をしないリスク

経営者も社員の健康を優先することが大事です。会社の業務を優先すると以下に挙げる様なリスクを負う事になります。

1.健康被害で労働力が低下
社員の過労による被害は、病気やケガなどにより、病院に通ったり入院したりする為に休暇を取る事になり、結果的に労働力が低下する事になります。

2.職場に不満を持ち人材の確保が困難
残業が多い場合には、不満が鬱積してやる気に影響が出て、退職に繋がる事になります。人材が定着しにくくなるのです。

3.生産性の向上が困難
サービス残業が、当たり前のようになってしまうと、従業員の士気が低下して生産性にも大きく影響が出る事になります。

残業の削減対策

残業削減は、経営者にとっては、利益の追求と事業存続に影響がある為、慎重に検討しなければなりません。

1.労働時間と成果の確認
経営者は従業員の労働時間を正確に把握する必要があります。労働時間の制約と、残業時間で得られる成果についても、通常業務と比較して検討する必要があります。果たして残業は必要なのかどうかです。

2.仕事量の公平を図る
個々の能力に差が出る場合もあるのですが「同一労働同一賃金」は、経営者にとって頭を悩ませる課題でしょう。技術職の場合はベテランと新人では、仕事量の内容に大きな差が出るからです。同じ仕事をする場合には、特定の人にだけ残業を課す事ができなくなります。

3.残業時間の削減と罰則
実務に関しては、月45時間の残業は年間6ヵ月までとなり、年間では360時間という上限の制約が決まっているので、業務内容に応じて計画的な残業の実施をする事が求められるのです。これに違反した場合には、30万円以下の罰金や6ヵ月以下の懲役となりますので、注意しなくてはなりません。

4.人材派遣のマンパワーの活用
会社の業務形態が時期によって繁忙期の差が多い場合には、人材派遣などを有効的に活用する事で対応する事ができます。

5.コンサルタントの意見を聞く
経営コンサルタントなどを利用して、経営改善の為の相談をする事も重要です。

まとめ

経営者が考えるべき残業削減に向けての対策は、大企業よりも中小企業の経営者に負担が大きくなります。通常業務と残業実施の場合との比較し、業務の内容を徹底的に精査して、一番効果的な残業削減に向けて努力して行く事が大事なのです。

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