経営の新規事業テーマ設定の決め方とは?~テーマ設定に重要な三つのこと~

経営者であれば、新規事業の機会があればやみくもに検討するのを避け「重要なテーマ」に狙いを定めることが大切となる。ただの感覚や思い付きではない明確な基準に沿って設定されているテーマがあることが、一貫性の高い新規事業検討に繋がるのだ。今回は、経営の際に大切になる「新規事業のテーマの決め方」について解説していく。

■テーマ設定 ~第一に事業の規模感~

まず、新たに手掛ける事業では売上がどの程度必要だろうか。そして、新規事業への投資額はどこまでが許容範囲なのか。事業の種類により売上規模やコストはそれぞれ違うものだ。

売上規模は市場の規模・競争の激しさに制限され、投資に回すことができる金額も限られている。リスクが高いものに挑み大きな成果を求めるのか、リスクが低いものに挑み低い成果を求めるのか、事業の規模感を想定していくことは大切だ。

このように、テーマ設定を決める際の基準となるものは第一に「事業の規模感」である。売上の規模感は、市場規模と競争状況から想定することができる。

現在の市場規模と成長率がわかれば、将来の市場規模を想定することができ、業界内の企業売上規模がわかれば、現実的な売上ラインが見える。例え、確かなデータがなくても仮定の数字で積み上げ想定することが大切だ。

■テーマ設定 ~第二に事業の収益構造~

新規の事業を検討するのであれば、収益性を左右する事業間の構造的な違いを配慮することが必要だ。事業の収益性は、内外のさまざまな要因に規定されて決まるのだが、それぞれの事業が普遍的に持つ構造特性に規定される部分も大きい。

事業間の構造的な違いの例は下記となる。

・労働集約型産業(飲食業・農業・介護事業等)
参入が比較的容易い分だけ競争の煽りを受けやすい。売上に占める労務費の割合が高く、売上の拡大に比例し、固定費も増大していくため規模の経済性が働かない。

・資本集約型産業(製造業・航空事業・金融業等)
資本投下が必要であるため、資本集約型産業の方が参入障壁が高く、リスクが高い傾向にある。一方、高い参入障壁が競争を抑えることが可能なため、事業が軌道に乗れば高収益を実現できるという可能性がある。

・フロー型ビジネス(飲食業・小売業・建設業等)
比較的すぐに収益を上げることができる。

・ストック型ビジネス(通信業・電力事業・不動産賃貸業等)
顧客の蓄積に時間を要し、安定させるまでに時間やコストを要するが、損益分岐点を超えた後は安定した収益が見込める。
それぞれ一長一短あり、どれが良いという正解はない。将来の収益性を目指してリスクを取るのか、将来の収益性を捨てて目先の利益を取るのか、経営者の決断が求められる。テーマを設定する際には、どのような収益構造の事業が必要か考えるようにするといい。

■テーマ設定 ~第三に事業の関連性~

新規事業を検討する際には、既存事業との関連を無視することはできない。新規事業の内容によって既存事業もプラスになることもある。これを事業シナジー(事業間の相乗効果)というのだが、逆に既存事業の収益を奪うケース「事業の食い合い」もある。

新規事業は、どのような影響が既存事業に及ぼすのか、既存事業のどんな資産を新規事業に活用するべきなのか、テーマを設定する際には関連性を考慮することが重要なのだ。

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