不法行為責任の一つ使用者責任とはどのような法的責任?

不法行為責任の特殊な類型の一つに「使用者責任」があります。使用者責任とはどのような法的責任なのか詳しくみていきましょう。

【使用者責任とは】

交通事故などに遭った場合被害者は民事責任を追及し加害者に対して損害賠償を請求する事が出来ます。その根拠の基本になるのが民放709条の不法行為責任です。不法行為責任は直接的な加害者を想定しており交通事故においては自動車の運転者がこの不法行為責任を負う事になります。不法行為責任の中には特殊不法行為と言われる特別な不法行為責任がいくつかあります。その中の1つに「使用者責任」があります。使用者責任とは不法行為者の使用者(雇い主や会社等)が損害賠償責任を負担する法的責任を言います。

【使用者責任を会社が負うのは】

会社員などが会社の業務にあたってトラブルや事故を起こした時に当事者である社員に変わり会社に損害賠償を請求する方が一個人よりも多くのお金を持っている為請求者は会社に請求をする方がよいと考えるのは当然な事でしょう。請求者にとってはより多くの損害賠償請求ができ多くのメリットがある事はわかりますが、ここで疑問に思う点は会社自身が何も不法行為をしていないのに損害賠償の責任を負う事になるのかという点です。このような場合も会社には責任が生じます。それは「使用者は被用者の活動によって利益を上げているので利益の存するところには損失も帰するべきだ」という報償責任や「人を使用して自己の活動範囲を拡大している以上、その危険を支配するものはその責任も負うべきである」といった危機責任が根本にあるからです。

【使用者責任の要件】

それでは会社に使用者責任が認められ損害賠償責任が生じるのはどのような条件があるかみてみましょう。

・雇用や、委任、その他の契約に基づく使用関係があること
・その事が事業の執行についてなされた事である場合
例えば被用者の手形偽造行為が事業の執行についてなされたと判断された場合会社の車を使用運転して交通事故を起こした場合に事業の執行についてなされたと判断された場合などがあります。
・被用者が第3者に損害を与えたこと
・被用者の選任と監督に使用者の過失がなかったこと、または相当の注意を使用者がしても損害が生じた事を証明しない事
などが使用者責任の要件として挙げられます。ここで注意しておかなくてはいけないのが、使用者と被用者の関係です。両者の関係は事業の為に他人を使用している場合のみでなく、雇用関係になくても実際に指揮、監督を行っている関係にあれば他人を使用していると解されます。

【まとめ】

使用者責任という法的責任がある以上、使用者は常に社員や指揮監督する者の行為に対して広く責任を負わなくてはいけません。使用者はこのような人たちが第3者に迷惑をかけたり損害を与える事のないように日ごろから注意喚起をし、防止措置を取る事が重要になってきます。

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