経営者として身に付けておくべき景気対策のノウハウ

資本主義社会の中で活動する企業にとって、景気の浮き沈みは避けて通れない問題です。不況に見舞われた際、どのような経営姿勢を取ることで影響を抑えられるのか、景気対策の術を知りそれを実践することが、経営者に求められる役割と言えるでしょう。

不況の性質を把握すること

社会的に景気が悪化すると、企業の売上にも悪影響が現れることでしょう。その悪影響を最小限に抑えるべく経営対策に乗り出すのは自然な流れと言えます。しかしここで注意しておかねばならない点があります。

それは、効果のある経営対策でなければ意味がない、という点です。どうすれば経営悪化の防止となり得るのか、わからないまま他企業の過去成功例などを鵜呑みにしたまま実行に移したところで、成果は挙げられないでしょう。

むしろかえって経営を圧迫し、より苦しい状況に追いやられるかも知れません。過去の実例を真似したとしても、前提条件などありとあらゆる状況の違いから、同様の結果に至れるはずがないのです。

では、どうすれば成果の見込める景気対策が導き出せるのでしょうか?それにはまず、現時点で問題となっている不況はどのような原因で起こり、なぜ不況が継続しているのか、といった、不況の性質および特徴を認識しておくことが肝要です。

どのような要因から不況に至っているのかを掴んでいれば、それに対応した実効性のある対策について検討できるというわけです。それを示す例としては、2020年初頭から始まった世界的な大不況が挙げられるでしょう。

新型コロナウイルスの世界的流行により、人同士の接触および接近が危険視され、各国で飲食・宿泊・観光などサービス業を中心に経済的・産業的活動の制限が設けられるようになりました。これが要因となり歴史的大不況に至ったわけです。

その背景を踏まえれば、一企業としてどのような景気対策を取るべきか、その方向性が見出されます。すなわち、いかに感染拡大を抑止しながら経営展開していくのか、という点が鍵となるわけです。

人同士の接触が避けられる中、その条件を満たしつつビジネスを進めていくにはどのような方法があるのか検討し、自らの事業に適合した新たなスタイルを確立できれば、感染症を要因とする不況への有効な対応策となるでしょう。

経営体制の見直し

不況の性質を知りそれに対応したビジネススタイルを確立することも大事ですが、これに合わせて、自社が持つ不況への耐久度がどれほどのものなのか知っておくこともまた重要です。それは不況との関連のみならず、自社の経営状態について深く知ることを意味します。

景気対策を考えた場合、それはビジネススタイルの見直しなど対外的な方策のみで解決する問題とは言えません。仕入れを含む諸経費のコストカットや従業員の意識改革など、組織内部に関する方策も肝要です。

しかしその場合、ただ闇雲に経費削減や意識改革を促すと、思わぬ弊害を生み出しかねません。維持すべき経費を削った結果、品質およびサービスの低下を招いてただでさえ不況で低迷している売上がさらに落ち込んでしまったり、過剰な意識改革で従業員が疲弊し進捗度が下がったりする恐れがあるわけです。

そのような事態を避けるために必要なのが、経営状態の熟知と言えるでしょう。その一部で景気対策として挙げられるものとしてまず抑えておくべき点は、経営安全率の把握です。これは、売上が何%減少すると赤字に陥るのかを示した値であり、会計データから算出が可能です。

赤字を避ければ、売上を含む収入が仕入れ額を含む諸経費を上回る黒字ということになり、不況か否かを問わず経営的には順調と見做されるのは言うまでもないでしょう。要は、自社の経営安全率を把握し、売上減少幅がこれを下回らないよう具体的な数値目標を掲げることが重要と言えます。

コストカットおよび従業員の労働意識関連を含む社内改革の方針で景気対策を考える場合、赤字を避ける数値目標を定めこれに即した対策を立てられれば、何をどのくらいコストカットすればいいのか見通しが付くと共に、社内改革による過剰な労力疲弊を抑えることができるわけです。

まとめ

以上の内容をまとめると、企業の取り得る景気対策として以下の2通りが考えられることになります。

(1)発生した原因など、不況の性質や特徴を熟知し、その影響を抑える形態のビジネススタイルを確立する。

(2)自社の経営状態を熟知し、赤字に転落する収入下落幅を明確に数値化し、これを下回らないことを軸として、限定的にコストカットや社内改革を行う。

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