経営者が考えるリスク軽減のための備え ~退職金~

経営者は会社の経営状態だけでなく財務状況を認識して、会社に必要となる資金と今後のリスクとなる事に備えるべき資金に目を向ける必要があります。その1つとして退職金の対応があります。経営者が退職金に備えることについて紹介していきましょう。

経営者や役員の退職金

会社に長く勤務する役員の退職金は高額になる可能性があります。ある程度の準備がなければ、高額な退職金の出費で会社経営を圧迫するリスクを持っているのです。退職金の形式には2種類ありますので説明しましょう。

【1.死亡退職金】
経営者や役員が死亡した場合には、残された遺族の生活費や相続に必要な費用として会社が支払う金額の事です。

【2.退職慰労金】
これまで勤続してきた慰労として、経営者や役員が勇退する場合の費用です。

前もって準備する意味

会社が支払う退職金は損金として計上しますが、死亡退職金の場合は急な出費となるので、予定外の高額な費用が支払われる事になります。

経営的に扱える資金はある程度決まっていますし、経営状態が悪い場合には、資金繰りが困難になるリスクを抱えてしまいます。そのような事態になる前に経営資金とは別に、退職金の為の準備を必要とします。

退職金のルール

1.算定する方法が合理的な場合
2.形式上の基準を満たす必要がある
3.実質的な基準を満たす必要がある

税金が優遇される方法

1.勇退退職金を受け取るには
所得税や住民税がかかりますが、退職金の場合には老後の生活資金としての意味合いが強いので、給与に比べて税金が優遇される事になります。そして、他の所得とは分離して計算する事になります。

退職所得に対する課税額を求めるには=(退職金の金額-退職所得控除額)×1/2 です。

・20年以下の場合には、=40万円×勤続年数 ※ただし、80万円が下限となります。
・20年を超える場合には=800万円+70万円×(勤続年数-20年)

2.死亡退職金を受け取るには
個人の場合は、生命保険で死亡保険金に対して相続税がかかります。亡くなった役員の相続人には非課税枠があります。相続税の基礎控除と合わせると高額な控除ができます。

少なくとも、3,600万+500万で4,100万円以上の控除になり、人数に合わせて多くなります。また、死亡退職金にも同額の非課税枠が別枠であるので、3つの控除が可能です。

・「生命保険金の非課税枠」 = 500万円 × 法定相続人の数で計算
・「相続税の基礎控除額」=3,000万円+600万円×法定相続人の数で求める
・「死亡退職金の非課税枠」 = 500万円 × 法定相続人の数で導く

生命保険で準備するメリット

会社で役員の退職金の為に生命保険を積み立てる事で、リスクのある死亡退職金にも対応できる上、解約返戻金は自由に引き出す事ができるので、経営状況に合わせて利用可能なメリットと、経営の資金とは別に用意する意味があります。

損金として認められる範囲

基本的には同業の会社と比較して妥当な額を支払う必要があります。法令によれば「不相当に高額な支払い」は、損金として認められません。損金は会社の必要経費になるので、以下の事を参考にします。

1.役員が会社に勤務した年数
2.退職してきっぱり引退する場合
※院政として直接経営に携わる場合は退職金が認められない可能性があります。
3.同じ規模の会社を比較
4.役員の会社への貢献度

まとめ

経営者が退職金に備えるためには、退職金を役員の生命保険でカバーする事で、万一の出費に備える事ができます。また、会社経営と退職金の資金を分離する事で、会社の負担減を大きく抑えられ、経営の状況に関係なく用意できます。

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